「家族の距離感」がちょうどいい。無理なく暮らせる多世代同居の家づくり
親世代と子世代が一緒に暮らす「多世代同居」。安心感がある一方で、「気を使いすぎて疲れてしまいそう」「生活リズムが合わないのでは?」と不安に感じる方も少なくありません。
多世代同居を無理なく続けるために欠かせないのは、間取りの工夫です。なかでも大切なのが、家族それぞれの生活リズムを尊重した動線計画。
今回は実際の施工事例を交えながら、心地よい距離感を保つための家づくりの考え方をご紹介します。
もっとも重要なのは「動線が干渉しないこと」
多世代同居の住まいづくりで、まず意識したいのが動線計画です。親世代と子世代では、起きる時間も、寝る時間も、家の中で過ごす場所も異なることがほとんど。
たとえば
・親世代は早寝早起き
・子世代は仕事で帰宅が遅い
といったケースも珍しくありません。
そんななかで、洗面室やトイレ、廊下などの動線が重なりすぎてしまうと、小さなストレスが積み重なってしまいます。だからこそ、多世代同居の家づくりでは、「生活の流れが自然と分かれる配置」を考えることがとても重要になります。

親世代の居場所は「水まわりの近くに」
多世代同居では、親世代の動線を優先するケースが多くなります。長く安心して暮らしてもらうための配慮です。
特に意識したいのが、
・寝室からトイレ・洗面までの距離
・段差の有無
・夜間でも安心して移動できる明るさ
年齢を重ねるにつれて、階段の上り下りや寒暖差は体に負担になりがち。そのため、親世代の寝室は、できるだけ水まわりに近い位置に配置するのがおすすめです。
また、家の中のどこで過ごす時間が一番長いか、も重要なポイント。
・日中はリビングで過ごすことが多い
・自室で静かに過ごしたい
・来客が多い
など、普段の生活スタイルによって居場所の最適な位置、必要な広さなどは変わってきます。

子世代は「家事動線を短く、スムーズに」
一方で、子世代は家事や育児、仕事などで忙しい毎日を送っています。そのため、キッチン・洗濯・収納などの家事動線はできるだけ短く、効率的にまとめることがポイント。
親世代と同居していても、「家事は自分たちのペースで進めたい」という気持ちは自然なもの。それぞれの生活が干渉しすぎないよう動線を整理することが、気持ちの余裕にもつながります。

多世代同居の家づくりで大切なのは、 「一緒にいる時間」だけでなく、「それぞれが無理なく過ごせる距離感」をつくること。
間取りの工夫によって、気配は感じられるけれど、干渉しすぎない。そんな心地よい関係が生まれます。
家族のかたちは一つではありません。だからこそ、暮らし方に合わせた住まいづくりを大切にしましょう。